Recruiting 2025

Project Story 01

デパ地下グルメお届け便
e.デパチカ

2021年2月にスタートした、デパ地下グルメお届け便「e.デパチカ」が好調だ。店舗同様の多彩なブランドと豊富なメニューをとりそろえ、一度の配送で複数ブランドの商品をまとめてお届けするのが特徴。「Demaecan Award 2021」では新人賞<全国>第1位、売上賞<関東>第8位に輝いた。現在は西武池袋本店、そごう横浜店、そごう千葉店、そごう広島店、西武秋田店の5店舗で展開。西武池袋本店では自社運営の公式サイトを開設し、100ブランド・500アイテムもの商品を30~45分以内で配送するなど、サービスの強化が進められている。店頭とECの垣根を超えるOMO(Online Merges with Offline)のひとつである、ラストワンマイル戦略の舞台裏に迫った。

Member

  • Yuzo Inoue

    本部 デジタル戦略本部
    事業デザイン部 システム担当

    2005年入社。全社におけるDX案件推進の事務局として、複数部署を横串連携するジョイント役を務める。「e.デパチカ」には立案時より参画し、現在もシステム開発・業務運用の両面で取り組み、店舗・マーケットの拡大にあたる。

  • Naoyuki Takeuchi

    西武池袋本店 営業サポート部
    オペレーション担当

    1987年入社。池袋本店の営業催事やイベントスペースの企画・運営など、店内オペレーション業務全般を担う。「e.デパチカ」では西武池袋本店の営業支援担当として立ち上げに関わり、現在は同じく商品担当として企画の推進役を務める。

  • Kenji Yamanaka

    本部 デジタル戦略本部
    e.デパート部

    1999年入社。デジタルを推進する立場から「e.デパチカ」の運営業務を担当。グループ各社との連携をはじめ、各運営店舗の事務局やシステム開発部門、法務などとも協議を進めながらプロジェクトを推進する。

※インタビュー内容、および所属や職務に関する記載は、
2022年12月現在の情報です。

デリバリーサービスへの出店で、
新たなニーズの発見と、
芽生えた確信。

  • 山中

    本日は私も含めた推進メンバーで、e.デパチカについて振り返ってみたいと思います。私はこのプロジェクトチームに後から加わったので、まずは立ち上げ当時(2020年12月)のことからお聞きしたいんですが。

  • 井上

    2020年春に始まったコロナ禍で、百貨店の来店客数が激減する中、いわゆるフードデリバリーが急成長してたんですよ。緊急事態宣言解除後も混雑した店頭へ出かけづらい状況が続く中、コロナ禍で急速に浸透したデリバリーサービスの利便性を百貨店でも挑戦できないかと考えました。新しい顧客接点を増やすことで今まで百貨店に来店していなかった客層の獲得にも期待しながらチームを組んで議論を重ねたことを今でも鮮明に覚えています。

  • 竹内

    本部の人間だけで考えても実現しないし、店だけでやりきるのも難しい。だから力を合わせてやってくれ、と社内で発足したデジタル戦略推進プロジェクトの一つとして関係者が招集されたことで、ただの意見交換ではなく業務として取り組むことが出来ました。最初に会社が旗を掲げてくれたので目標が明確だし、他の部署を巻き込むのもスムーズでした。

    1. 山中

      10年くらい前でしょうか、池袋本店と渋谷店で同じようなサービスをやっていた時期がありましたよね? それをやり直そうというものですか?

    2. 井上

      その当時はまだ日本でデリバリーが普及していなくて、宅配業者を使ったサービスでした。「即日」はできても「即配」ではなかったので、お客さまのニーズを掘り起こせなかったんですね。サービスも仕組みもゼロから考え直そうというスタートでした。

    3. 山中

      そして3ヶ月後の2021年2月に、まずは「e.デパチカ 西武池袋本店」を出前館へ出店させるというかたちで始まりましたね。

  • 竹内

    そごう・西武の公式サイトの開発に時間がかかるので、その間に色々検証しておこうと考えたんです。以前の課題を踏まえて配送は自社で行い、「45分以内のお届け」をアピールしました。私たちも当初はデリバリーで高級なものは売れないだろうと思い込んでいたんですが、いざ蓋をあけてみると2,000円、3,000円のお弁当や惣菜がどんどん売れる。他の出店者とは明らかに単価が違ったんです。百貨店が誇るデパ地下の実力を見た気がしました。これはいける、チームが確信を得た瞬間でしたね。

  • 井上

    しかも購入者の多くは、近隣よりも少し離れた、むしろ他の百貨店に行くほうが便利な地域にお住まいの方々。これも想定外でしたが、店舗にとっては新たな顧客層ですし、電車やタクシーを使わずに百貨店のものが買えるという、新たなニーズの掘り起こしにもなりました。

  • 山中

    その時期から私もチームに加わったので、よく覚えています。少しずつ配送エリアも広げながら、品ぞろえもどんどん増やしていきましたよね。

  • 竹内

    当初はお取引先のショップも疑心暗鬼でしたけど、売れることがわかって我も我もと手が上がるようになりました。店内が少しずつ活気づいていくのが嬉しかったですね。

満を持して公式サイトがオープン。
日々の売上データが、
現場のモチベーションに。

  • 山中

    その勢いを受けて、6月にそごう広島店、11月にそごう千葉店、翌2022年1月にそごう横浜店、4月に西武秋田店と、次々に導入していきました。そして西武池袋本店では、2021年11月末に満を持して公式サイトをオープンしました。検証から本格稼働へと一気に舵を切ったわけです。

  • 井上

    そうですね。池袋本店では公式サイトと出前館を並行して展開し、配送は自社で一括するようにしました。その他の店舗では公式サイトの展開を検討しつつ、複数のデリバリーサービスに出店して各エリアのニーズをチェックしています。未展開の店舗からもOMO化に向けてe.デパチカの展開を希望する声をいただいていますので、今後も導入店舗が増えていくと思います。

    1. 竹内

      山中さんから毎日上がってくる売上のデータを見るのがすごく楽しみでした(笑)。公式サイトでのご注文の方が、客単価が平均して高く、一度に10万円も購入される方がおられる。同じ品ぞろえ・価格であっても、そこに百貨店に対する信頼感が働いているように思いました。これは、現場にも大きな励みとなりましたね。詳細なデータを見ながら日々さまざまな施策を打てるので、モチベーションも上がるんです。

    2. 山中

      ありがとうございます。お役に立ててとてもうれしいです。公式サイトだと購入者の属性までわかるのも、大変有用ですね。出前館では20〜30代が中心で、公式サイトでは30〜40代が多い。どちらも店舗の既存コア層とは異なっています。このプロジェクトによって「顧客接点」を拡大できたことが、最大の収穫ではないかと思います。今後は、これをどう店舗の賑わいに結びつけていくかが重要課題ですね。

  • 竹内

    おっしゃるとおり。普段、百貨店にお越しいただけていない層のお客さまのご利用が増えて、そのお客さまに食の魅力を通して、いつかご来店いただけるようになる。サイトと店頭で売上を競うのではなく、そのような相乗効果をとことん追求していきたいですね。

  • 井上

    e.デパチカでは店頭の商品在庫をリアルタイムでサイトに反映させているので、このような運用が可能となっています。
    店舗で扱う商品在庫を店頭だけでなくネットでも販売する…このOMOの推進が、私の今後の大きな目標です。

目標は先頭を走り続けること。
そして、会社を
牽引していくこと。

  • 山中

    他の百貨店でも、デリバリーサービスを導入するところが増えてきましたね。品ぞろえではまだまだ負けていないと思いますし、自社で配送しているのも我々だけですが、しっかりウオッチしていく必要があります。

  • 井上

    他店がやるようになって、徐々に「百貨店のデリバリーサービス」というものの認知が上がってきました。対象エリアが限られているので大々的に宣伝するわけにもいかず困っていたのですが、それはかえってメリットとなりました。このままずっと先頭を走り続けたいですね。

  • 竹内

    「Demaecan Award 2021」で、池袋本店が新人賞<全国>第1位、売上賞<関東>第8位となったのも、うれしかったですね。第三者から評価を受ける機会が少ないので、これからのアクションにまたとない追い風となりました。

  • 山中

    アクションと言えば、このプロジェクトがこれまで順調に結果を出して来られたのは、徹底してPDCAを回してきたからだと思うんです。混成チームだけど、みんなが同じ方向を向き、立場を超えてとことん議論することで改善しつづけてきました。メンバーに加わる前、私は別の部署からずっとこのチームを見ていました。どんどん前に進む。これこそが自分のやりたいこと、理想のプロジェクトチームだと感じていました。参加できると聞いて、飛び上がって喜びましたから(笑)。

  • 竹内

    同感です。こういうチームスタイルを貫けたこと自体、数字以上に大きなインパクトを社内に残したんじゃないでしょうか。いずれWithコロナからAfterコロナへと社会が変わっていく。このチームであれば、そんな変化にも充分対応していけると確信しています。そごう・西武の大きな武器となるよう、もっともっとお客さまのニーズを掘り下げていきたいですね。

  • 井上

    今回のプロジェクトでは、さまざまな部署の協力を得られたことによって、貴重な知見を寄せてもらいました。本気で取り組めば、会社全体で支えてくれる…私たちがとても幸せな環境にいることに改めて気づきました。この感謝の気持ちをエネルギーに変えて、これからも頑張っていきましょう。

  • 山中

    今日はありがとうございました!