PROJECT 1

夏に菓子は売れない?!
業界の常識を覆した催事企画。

2017年8月、西武池袋本店催事場にて開催された『IKESEI菓子博〜真夏のスイーツフェスタ』(この後『菓子博』)は、百貨店業界と菓子業界に激震を引き起こした。「夏に菓子は売れない」というのが業界の常識だが、中條副店長から「夏に菓子を売ろう!」という指令を受け、プロジェクトが動き始めた。リーダーを務めたのが、物産展係で販売係長を務める阿久津陽平。食品フロアの催事係から始まり、2017年3月から大きな催事場を企画立案から着地までの全てを担当する物産展係まで催事に関わって3年目。多くの企画・運営を行ってきた阿久津にとっても、新たな挑戦となるプロジェクトだった。

西武池袋本店
菓子博

固定概念を打ち壊す副店長直轄のプロジェクトが始動

2017年3月末、毎週のように物産展が開催される繁忙期の中にあって、阿久津は『菓子博』プロジェクトの招集を受けた。1年以上前から水面下で検討が進められてきた副店長直轄プロジェクトだったが、招集を受けて一番に抱いたのは「夏に菓子?!そんなの無理だ」という想いだった。それだけ、菓子業界において「夏は売れない」というのは常識。しかし、無理だと思ったすぐ後には、「やってやろうじゃないか」という気持ちがムクムクと生まれ始めていた。

ゾーニングや装飾で、テーマパークのような空間を実現

具体的に動き出したのは、物産展のピークが終わった5月の初旬。販売リーダーの田村と共に、出店依頼をかけたい店のリストを作って副店長とのミーティングに臨んだ。副店長もリスト自体に大きな異論はない。しかし、和菓子、洋菓子、アイス…といったジャンル別に売場を組もうと考えていた阿久津たちに対して、副店長の切り口は全く違うものだった。イメージは「菓子のテーマパーク」。そこにいるだけでワクワクするような、催事が求められていた。
阿久津たちはすぐに全国のテーマパークのゾーニングを調べ上げた。そして、アドベンチャー、ファンタジー、SFなどといった軸でゾーニングしていることを参考に、菓子博のジャンル分けを練り直した。素材を活かしたマテリアルゾーン、夏に美味しいクールゾーン、SNS映えするユニークゾーンなど、菓子それぞれが持つ特性で売場を分けることにしたのだ。同時に販売促進担当が、それぞれのゾーンのイメージに合わせた装飾や会場マップを製作。その仕上がりは、出店した取引先の人々も驚くほどテーマパークと呼ぶにふさわしい出来栄えだった。

予算の300%超の売上。新しい客層の取り込みにも成功

開催初日の朝、期待と不安を抱いて、阿久津は開店のチャイムを聞いた。待つことおよそ1分、波のようにお客さまが押し寄せてくるのが見えた。その瞬間、阿久津は成功を確信した。結果、鍵盤をモチーフにした九州のユニークなようかんも、「百貨店には一切出ない」という牙城を切り崩した京都の喫茶のゼリーポンチも、連日完売。全体の売り上げは予算の300%超という大盛況だった。広報担当者によるSNSへの掲出やメディアへの声掛けになどによって、SNSの拡散やメディアから取材の申し込みが増えるなど今まで以上に大きな反響があった。また、これまでの物産展は40~50代のお客さまが多かったが、『菓子博』は若い女性が多く、新しいお客さまを呼び込みたいという狙い通りの結果を得られた。プロジェクトを振り返り、「出店交渉も、ゾーニングや装飾のアイデアも、一人ではできなかった。人を巻き込んでチームで進める醍醐味を知った」と阿久津は語る。次の夏、さらにパワーアップした『菓子博』が、また世の中を驚かすに違いない。

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